背中の筋肉とお尻の筋肉の連携

HappinessACは、体を強くするためのトレーニングをしています。特に、背中とお尻の筋肉を鍛えるトレーニングをしています。このトレーニングをすると、腕と足の動きがうまくなります。

背中とお尻の筋肉には、広背筋と大殿筋という大きな筋肉があります。広背筋は、肩の下の部分から腰の骨のところまで伸びている筋肉で、肩の動きを助けます。大殿筋は、お尻の形を作る筋肉で、足の動きを助けます。

広背筋と大殿筋は、背中とお尻の部分をつなぐ筋膜というものでつながっています。筋膜は、体の部分をつなぐような紐のようなもので、広背筋や大殿筋だけでなく、腰の周りにある他の筋肉もつながっています。

広背筋と大殿筋は、腰の周りにある筋肉を支える役割もあります。筋肉が動くときには、筋膜が体を支えることで安定して動くことができます。また、姿勢をキープすることもできます。

走るときには、出発するときには力が必要です。広背筋は腕を大きく振ることで体の力を強くし、大殿筋は足を大きく踏み出すために使われます。体を強くするトレーニングをすることで、出発時に必要な力や、速く走るための力を強くすることができます。

小学生陸上について

「マルチスポーツ」というのを日本陸連も大切に感じているようで、2019年から小学生の陸上競技の種目変更が行われました。

これまで単独種目となっていたハードル・走り高跳び・走り幅跳び・ジャベリックボール投げが混成競技となりました。

コンバインドA→ハードル、走り高跳び
コンバインドB→走り幅跳び、ジャベリックボール投げ

混成競技になったことは、マルチスポーツを推奨する我々からすると大変良い取り組みだなと感じています。

ただし、こうなったことで新たな問題も浮上しています。

単純に、全国大会進出者の枠が減少したうえに、2種目の練習をやらないといけなくなったため、勝利至上主義的な動きがより高まってしまいました。また、練習量を増やさなければならない点も気を付けないといけません。

ただ、ある程度の結果は出さないと、入会が増えないので、チームの運営が苦しくなります。

陸上の練習ばかりせず、身体の使い方を学ばせるトレーニングをおおくしながら、かつ結果も出せる状況を模索している段階ですが、一昨年はコンバインドAで全国大会準優勝したり、3年連続で神奈川県のコンバインドA男女アベック優勝をしています。

この子たちが、今後も伸び悩まずに成長し続けてくれれば、身体の使い方の指導がうまくいったことになりますし、伸び悩めばやり方が悪かったことになります。

早熟を防ぐというのは難しいところではありますが、小学生で全国優勝を成し遂げ、大人になって日本代表まで登り詰めた人もいるので、そこを目指していけたらなと思っています。

色んな年齢の選手が一緒に練習をする

皆さん、ご指導されるとき、または指導されているチームでは、年齢別、世代別に分けて練習していますか?

年齢によって、指導する内容や声のかけ方、体力差などの理由によって、世代別のクラスを作って指導されているところが多いのかなと思います。

私が指導しているHappinessACでは、全部の世代を一緒に練習させています。

もちろん全てということではなく、共通しているメニューと別々に取り組むメニューとあります。

一部を除き、小学校低学年から大学生まで同じ時間に、一緒に練習させています。意外とこういうチームって少ないです。

色んな年代が混じって練習したら効率が悪いのかといえば、そうでもありません。デメリットよりも、メリットの方が多いと感じているため、実際にやっています。

一番のメリットは、憧れの先輩をみつけやすく、目標を作りやすいところです。以前、小学生対象の地域情報紙の取材を受けたとき、取材してくれた方から小学生にこんな質問がありました。

「憧れている選手はいますか?」

多くの子は、有名選手の名前を挙げるのかなと思います。陸上競技でいえば、桐生選手やサニーブラウン選手、海外勢のウサイン・ボルト選手やガトリン選手など。

うちの子の回答はこうでした。

「未夢ちゃん!」

HappinessACコーチの濟藤未夢の名前を挙げたのです。

世界や日本を代表する選手に憧れを持つことって当たり前だと思いますし、素敵なことだと思います。しかし、すぐ目の前にいる先輩を目標とすることで、より目標を身近に感じられるというか。目指すべき選手像、人間性がわかっている人を目指すってのも、素敵なことだなと感じてます。

小中学生たちが、全国あちこちの試合に出ている未夢コーチに憧れて、陸上競技を取り組んでいる。その、憧れの先輩と一緒に走ることができるし、何よりも生で動く教材に触れることができるというのは、なかなかない環境ではないかと思っています。

そして、その小中学生が大きくなったとき、さらに下の世代から憧れられる存在になってくれると、チームの循環としては最高だなと感じています。

上の子はコーチの役割をすることで、自分の競技に生かせる発見や気づきが増える。
下の子は、憧れの速い先輩からアドバイスをもらえる。一緒に練習できる。

こういう環境を作りたかったですし、発展途上ではありますが、実際に作ることもできました。

教員の働き方改革で、地域のスポーツチームの需要が増えてくるはずです。うちは、いつでもどの世代でも受け入れる準備ができています。

これぞ、一貫指導というモデルを作れたらと考えています。

片足立ち、シングルデッドリフト

片足立ちのトレーニング
https://www.youtube.com/watch?v=heZdPMqWrGQ

走るという動作は、左右交互に片足立ちを繰り返し行う動作です。片足立ちがしっかりできないと、走るときに歩幅が狭くなったり、地面に力を伝えられなくなったりと、マイナス点が多いです。まずは、自分の能力の『現在地』を知るために、目を開いて何秒できるか、目を閉じて何秒できるか、計測してみましょう。

片足立ちの秒数を計測する際に、どこの筋肉が疲れたのかも確認すると良いでしょう。
週に1回確認してみましょう。

シングルデッドリフト
https://www.youtube.com/watch?v=9qpP5T0Inzk&t=1s

走るときには「お尻の筋肉」が大事と書いてきました。
ただ、お尻の筋肉を使えることが大前提とはいえ、走っているときに動いている筋肉はお尻だけではありません。例えば、キックする力が強くても、背中の筋肉が弱いと、体が前かがみになったり、後ろ方向に足が回りすぎてしまい、効率よく走ることができません。

それらの動きを改善するためには「背中の筋肉」が重要になります。

キックしたとき、体が前に倒れないように支えてくれる筋肉が「背中」の筋肉です。この筋肉が働いてくれるおかげで、効率よく地面をキックし、速く走れるようになります。お尻の筋肉の力と、背中の筋肉の力を合わせることで、良い姿勢で強く地面に力を伝えられるようになります。

このトレーニングを行うときに多いのが、体をまっすぐに戻すときに、上半身の戻りが遅れてしまい、体が「くの字」になってしまう点です。上半身の起き上がりと、股関節の起き上がりをしっかり合わせることが重要なポイントです。

誰よりも速く!!加速するための『ピッチ』向上トレーニング

走り方について調べていると出てくる言葉の一つ『ピッチ』

陸上競技でのピッチとは、1秒間に足が何回転しているか、が大切になります。

かけっこでも陸上競技でも、走り始める時は一斉にスタートしますよね。足の速い人と遅い人で違うところの1つとして、スタートしてから最高速度に到達するまでの『加速』の仕方も影響しています。

スムーズに加速するためにはどうすれば良いでしょうか?

まずは、『全身を高速で動かす』能力を身につけること。

その基本となるトレーニングを3つに分けて紹介します。

1つ目のトレーニングは、腕立て伏せの姿勢をキープしたまま、足を高速で入れ替えるトレーニングです。

注意点などは動画をご覧ください。
https://youtu.be/Ss3P8fOVj4Y

20回を3セットほど行いましょう。

速く走るために必要な『骨盤の傾き』とは?

走っている動きを確認するとき、動画を撮影して確認する方法や、コーチや指導者に見てもらって動きを確認してもらう方法など、様々な方法があると思います。動きを確認するとき、皆さんはどのような点に注目していますか? 動画を撮影するにしろ、コーチに見てもらうにしろ、横から見てもらうことが多いのではないでしょうか? 例えば、腕がしっかり振れているか、足の動きがどうなっているかなど、人の前後の動きを確認することが多いと思います。しかし、人間の体は、横から見ただけでは本当の動きはわかりません。横から見る動きは「矢状面」と言います。人間の動きの見方として、他には前方から見た「前額面」と、人間の真上、または真下からの視点である「水平面」というものがあります。水平面から見た走りを確認するのは難しいですが、体の動きの見るポイントがわかってくると、水平面の動きも理解できるようになってきます。

今回は、前から見た骨盤の傾き(側屈)の話なので、「前額面」の話になります。

走っているときには、前に足を上げている足と、後方にキックしている足があります。このときによく聞くアドバイスとして、「膝を高く上げること」や、「足が後ろに流れないようにすること」などがあります。単純に横から見たとき、膝を高くあげたり、足が後ろに流れないようにしたりするには、果たして「見た目」だけを直せば良いのでしょうか?

答えは、「No!」です。

では、膝を高く上げて走りたい、キックしたときに後ろに流れないように走りたいとき、どうすれば良いのでしょうか?

それは、「骨盤の傾き」を意識したトレーニングをすることにあります。

動画の動きをよく見て、練習してみましょう。

回数は10回〜20回を3セット行いましょう。

動画はこちら
https://youtu.be/78NIwJhIzEI

Track Triadというブログ名の由来

HappinessACでは、短距離走、ハードル、やり投げの3種目にフォーカスしています。

これらの種目は、スピード、力、技術のトライアングルを形成しており、他の競技にも通じる要素が多く含まれています。

ハードルは、走幅跳や走高跳と通ずるものがあります。踏み切って跳ぶ、という部分が共通しているのがこの種目。スピードが足りないと、ハードルも上手く跳ぶことが出来ません。また、陸上競技場で練習をする上で、準備がしやすいのがハードルでもあります。

やり投げには、投げる能力だけでなく、助走に必要なスピードを高める必要があり、高めたスピードを投げる能力にも結びつけられます。小学生から体験出来るのが、やり投げの小学生バージョンであるジャベリックボールスローです。中学ではジャベリックスローがあります。

短距離走、ハードル、ジャベリックボールスローをはじめ、幅跳びや高跳びに移っていくというのが当クラブの取り組みです。

このブログでは、私たちが短距離走、ハードル、やり投げで得た知識や技術を他の競技にも応用する方法を紹介していきます。

今年から全中にクラブチームから出場可能に。

今年から全中にクラブチームの出場が認められました。昨年までは学校側とのやりとりもあり、苦労したことが多く、ようやくここまで制度が変わってきたと感じています。

以下は昨年の出来事について書いていきたいと思います。

小学校や中学校は、市立等の学校であれば基本的に学区内の学校に通うことが多いと思います。例えば、陸上部がない学校は家から徒歩10分、陸上部がある学校は家から徒歩30分、どちらの学校に進むべきか、という問題がありました。

陸上部がない学校の場合、中体連の管轄の大会に出場するには学校に許可を得る必要があります。入学前に保護者が交渉して、試合にエントリーしてもらうことになりました。

ところが、入学してからは、試合には出場してもらえるし、引率の先生も出せるときは出すが、一番大きな大会の出場は引率を出せない、と許可が下りませんでした。教員の働き方改革もあり、土日の引率に難色を示されていました。しかし、これまではクラブチームからは中体連の試合に出ることができませんでした。

選手たちがかわいそうですが、学校の言い分も理解できます。子供たちが減ってきていますが、習い事の選択肢は増えています。陸上競技のクラブチームもかなり増えました。

今年から全中にクラブチームが出場できるようになったことで、我々にとっても選手たちにとっても、そして学校側にとっても良かったと感じています。ただ、始まるのはこれからです。やってみないとわからないこともあるかもしれません。少しずつ良い方向に向かうことを願いつつ、指導していきたいと思います。

腕振りについて②

短距離走において腕振りは非常に重要な役割を果たします。腕振りは体幹を支え、助走や脚の推進力を生み出し、全身のバランスを保つために使われます。肘を伸ばす理由として、股関節との連動性があると考えられます。

股関節は身体の中心重心を支えるために非常に重要な関節であり、走行時には脚の推進力を生み出すために活発に動きます。腕振りによって股関節の可動域を広げることで、脚の推進力を増やすことができます。肘を伸ばすことによって、腕を大きく振ることができ、股関節の可動域も広がります。

また、肘を伸ばすことで、腕振りのリズムがより自然になり、全身のバランスも保ちやすくなります。腕振りがバランスを保つために使われることもあり、腕を後ろに振るときに肘を伸ばすことで、腕振りによる全身のバランス調整がより効果的になると考えられます。

総合的に考えると、肘を伸ばすことによって股関節の可動域と連動し、腕振りの効果を高めることができると思われます。ただし、短距離走においては個人差もありますので、一概に全ての選手が同じように肘を伸ばす必要があるわけではありません。

腕振りについて①

走る際に、腕を振らずに走る人はほとんどいないと思います。腕を振ることは、速く走るために必要不可欠な要素の一つです。

腕を振らずに走ってみると、上半身が捻れてしまったり、ストライドが狭くなったりといったことが発生します。

今回は、腕を振る理由について、複数回に分けて書いていきます。

腕を振る理由①:体のバランスをとるため

腕を振らずに走ると、上半身が捻れるように動きます。走る際には体に捻れが生じるため、腕を振ってバランスをとる必要があります。例えば、足を上げたときには、股関節が内側に回旋しています(内旋)し、足を後ろにキックしたときには、股関節が外側に回旋しています(外旋)。

腕を振る理由②:地面に力を伝えるため(地面反力を強める)

よく聞く指導方法として、「肘を90度に曲げて、前後に大きく振りましょう。」というものがあります。これは完全に誤った指導ではありませんが、このような腕の振り方では、ストライドが狭くなり、ピッチが優位な走りになってしまいます。つまり、ストライドとピッチのバランスが悪くなってしまうのです。

私が考える適切な腕振りの方法は、「前に振るときは肘を45度以上曲げ、後方に振るときは肘を伸ばし、最終的には90度近くまで肘が曲がる」というものです。最後に肘を曲げるところについては、意識する必要はありません。「肘の曲げ伸ばし」がしっかりできていれば、腕を振ることで地面に力が伝わり、自然に肘が曲がっていきます。

腕の振り方や振り幅、歩幅などによってストライドやピッチが変化するため、正しい腕の振り方を身につけることが大切です。

「肘を伸ばしても良いの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。次回は、肘を伸ばす理由を書いていきます。